『扉の向こう3』







吹っ飛んでいたらしい意識。
ふっと気付いたとき、まだバルコニーにいて。
あろうことか、後の異物感まで、そのままなことに気が付いた。
「.....おい、てめぇ。いつまで...てんだよ」
「え? 何ですか?」
「...早く抜けッて言ってんだっ」
何をすっとぼけてやがるっ。
怒鳴り付けてやったのに、返ってきた台詞はあまりといえばあんまりだった。
「ヤです。」
「ばっ...馬鹿やろっ!んなトコでまだヤる気かよっ!」
「お気に召しませんか?」
「...背中が痛い。」
そうじゃないだろっ。
思わず自分に突っ込む。
「じゃあ、体位変えましょう。」
おい、だから、誰がそんなこと言った!
「…お前は痛くないのかよ」
....なんだってココで怒鳴りつけてやれないんだろう。
「大丈夫ですよ。貴方が動いて下さるのでしょう?」
「ばっ、何でッ」
「一方的にやられっぱなしっていうのは性に合わないのでしょう?
貴方が僕を先にイかせてみたくありません?」
こいつを泣かせてやれるモンならやってやりたい。不意に凶暴な思いに囚われる。
「…先にイくか?」
「貴方次第ですね。負けたままって悔しいでしょう?」
「誰が負けただと?…先にイかせりゃいいんだな」
何かが激しく間違ってる気はするが。
夢なんだろ。
本当に夢なのか、それとも現実なのか、もうわかりやしないが。
ここまできたら、とことん乗せられてやろうじゃねーか。

そのまま、頭の片隅に、ほんの僅かに残っていた理性を撃ち抜いた。


「....乗せられてんじゃね−よ、三ちゃん…」
「こ、金禪が…」


「んっ...あぁっ...ふ..ん..」
「最初はゆっくり...ね?」
「あっ.........ん」
「三蔵....ぁ...」
「...ふ..ん...イイ..だ...ろっ...」


「三ちゃん...俺にもして(泣)」
「金蝉〜(号泣)」


「イイ…です。いつの間に…こんな…」
「は…てめぇが…」
「僕のせいで…淫乱になった?」
「ば…か…。ッあ…」
「んっ…ね、もっと激しく動いて?」
「ぁあ…っ」
「イイッ…ですよ…三蔵」


「三ちゃん、それ見せられて我慢しろって?(泣)」
「…金禪…せめて、触らせてくれ」


「あぁッ!...ふっ...ぁ...んっ」
「もっと...動いて?」
「やっ...む...りッ...!」


「...触るはいいけどよ。まじその場で殺されるぜ?八戒に。」
「うっ!」


「はっ...ぅ...んッ!も...と.....いて...」
「...僕がイイですか?それとも他の男がイイ?」
「な...ンッ...!」
「ね、教えて...」
「...っら..ないっ...!」
「なんですか?」
「お前以外知らないんだっ...ンなもんわか...ッあ!」
「嬉しすぎますよ、三蔵。」


「八戒、うめぇよ...あの三蔵サマを良くここまで...俺、ぜってー我慢できねぇ。」
「金蝉...」


「そうですね、ココまでよく出来ましたからご褒美をあげなくちゃね。」
「ひっ…や…」
「気持ちイイです?もっと突き上げて欲しい?」
「もっと…つよ…ッ」
「声、もっと出して。貴方のイク声、イク顔、もっと感じさせて?」
「ひッ…あ…アッ…んっ」


「三ちゃん、すげ淫乱…くったまんね…ッ」
「金禪ッ…あッ」


「これからも僕だけでいいんですか?貴方を欲しいと思っている人はたくさんいるんですよ」
「おまっ…以外…らねえッ…なことより…はやくッ」
「三蔵…っあ…も…イきます…よっ」
「あッ…んっ」


「おい、いらね−らしいぜ?」
「金禪…(涙)」
「..人の事言えんのか?金蝉童子に横恋慕してんのは、焔だけじゃねーと思うんだけどな」
「ほら、是音、そろそろ終わりますよ。」
「って、すました顔して中継してんじゃねーよ」


「ひぁッ...あっあ...あぁっ.!」
「...ッ!」








「....イっちまった....」
「同時でしたね。さすがです」
って、何がよ?
「おい、焔、大丈夫か?」
「半分、失神してますね」
「まあ、無理ねーわな。想い人のあんな乱れっぷり見ちまったらよ」
なんつーか。
ものすごくイイものを拝ませてもらったのはわかるんだが。
喘ぐ三蔵。
淫乱な三蔵。
そしてあの色っぽい表情。
なのに。
どうしても、納得できないことがひとつ。

どうせなら。

夢でくらい俺にヤらせてくれてもいいっしょ?
















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